こんにちは。
新潟市中央区・からさわ歯科医院 院長の唐澤です。
これまでの4回にわたり、歯周病と口臭・全身疾患の関連性についてご紹介してきました。
今回はその締めくくりとして、患者さんから実際に多くいただくご質問にQ&A形式でお答えしていきます。

Q&A①

Q:「毎日歯を磨いているのに口臭が気になるのはなぜ?」

A:磨き残しや歯周病、舌苔(ぜったい)が原因のことが多いです。
どんなに丁寧に磨いていても、歯と歯ぐきの境目や歯間の汚れまでは、歯ブラシだけでは完全に落とせません。
また、歯周ポケットに溜まった細菌が出すガスが強い口臭を引き起こすことも。
まずは歯科でのチェックをおすすめします。

Q&A②

Q:歯周病と全身疾患は本当に関係があるの?

A:あります。研究で明確に示されています。
歯周病は「慢性炎症」です。
この炎症によって放出される物質が、血管や臓器に悪影響を及ぼすことがわかっています。
関連が深い全身疾患には:

  • 糖尿病
  • 心筋梗塞・脳梗塞
  • 認知症
  • 誤嚥性肺炎
  • 早産・低体重児出産

などがあります。

Q&A③

Q:妊娠中でも歯の治療やクリーニングはできますか?

A:はい。時期や体調に配慮すれば可能です。
安定期(妊娠16〜27週ごろ)であれば、ほとんどの処置が安全に行えます。
痛みのある歯や進行した歯周病は、放置の方がリスクが高まることも。
からさわ歯科医院では、妊婦さん向けの検診・ケアにも対応しています。

Q&A④

Q:市販の「歯周病予防歯みがき粉」や「うがい薬」で治せますか?

A:軽度の炎症の緩和には役立ちますが、治療はできません。
殺菌作用のある製品は、補助的なケアとしては有効です。
ただし、すでに歯周ポケットに入り込んだ歯石やバイオフィルムは、歯科医院でしか除去できません。
当院でもおすすめ製品をご案内できます。気軽にご相談ください!

Q&A⑤

Q:治療にはどれくらいの通院が必要ですか?

A:症状により異なりますが、目安は以下の通りです。

状態通院回数の目安間隔
軽度の歯周病2〜4回1〜2週間おき
中等度〜重度4〜8回以上1〜2週間おき+メンテナンス
安定後の予防年2〜4回3〜6ヶ月おき

※初回で検査を行い、患者さんごとに最適なスケジュールをご提案します。

Q&A⑥

Q:見た目はキレイだけど、歯周病の可能性はありますか?

A:あります。見た目ではわからない「隠れ歯周病」も存在します。
歯ぐきの中で静かに進行するため、痛みもなく見た目にも異常がないケースもあります。
検査をして初めて発見されることも多いため、年に1〜2回の定期検診をおすすめしています。

まとめ

疑問ポイント
毎日磨いてるのに口臭?歯周病や舌苔、磨き残しの可能性あり
全身疾患との関係は?研究で関連性が証明されている
妊娠中の治療は可能?安定期を中心に対応可・要相談
市販品で治る?補助的にはOK、でも完治はしない
何回通う?症状と治療内容による/最短2回〜
見た目が正常でも?見えない進行リスクあり

「これって受診するほどのことかな?」「忙しいから、あとでいいや…」
そんなふうに放置してしまうと、歯周病は静かに進行し、手遅れになることもあります。
からさわ歯科医院では、相談だけ・検査だけの受診も歓迎しています。