口腔がんでは、粘膜の赤み・白い変化・しこり・治りにくい口内炎などがみられることがあります。ただし、これらの症状があれば必ず口腔がんというわけではありません。「いつもと違う変化が続く」場合に歯科医院へ相談することが大切です。

こんにちは。新潟市中央区・からさわ歯科医院、院長の唐澤です。
今回のシリーズ第3回では、口腔がんの症状についてお話しします。「口内炎がなかなか治らない」「舌にしこりがある気がする」といった経験がある方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

口腔がんにはどんな症状がある?

国立がん研究センターがん情報サービスによると、口腔がんでは以下のような症状がみられることがあります。

  • 口の中の粘膜が赤くなる
  • 白く変色する
  • 粘膜の形が変わる
  • 口の中にしこりができる
  • 口内炎がなかなか治らない

また、舌がんでは、舌に固いしこりがある・舌がただれる・舌を動かしにくい・舌がしびれる・口内炎が治りにくいといった症状が挙げられています。

「この症状がある=口腔がん」という意味ではありません。口の中のできものや粘膜の変化には、口内炎・傷・感染症など、さまざまな原因があります。

「口内炎が治らない」は注意したほうがいい?

口内炎は、誰にでも起こる身近なトラブルです。噛んでしまったり、歯や詰め物が当たったり、体調が悪かったりすることでできることもあります。

「口内炎ができたから口腔がんかもしれない」と必要以上に心配する必要はありません。

一方で、日本口腔外科学会では、口腔がんの症状として「口内炎が治らない」ことが挙げられています。口の中のできものについて、治らない場合や、だんだん大きくなる場合には受診が勧められています。

特に「いつもの口内炎とは少し違う」「なかなか治らない」「むしろ大きくなってきた」という場合には、一度歯科医院で診てもらうと安心です。

「舌にしこり」がある場合は?

舌がんでは、舌に固いしこりができることがあります。また口腔がんでは、しこりだけでなく、

  • 舌や粘膜が硬くなったように感じる
  • 表面がざらざらしている
  • 潰瘍ができている
  • 白色や赤色に変化している

などの変化がみられることがあります。

「しこりがある=がん」ではありません。しかし、痛みがなくても、できものがだんだん大きくなる場合には診察を受けることが勧められています(日本口腔外科学会)。「痛くないから放っておこう」ではなく、変化を確認することが大切です。

「口の中が白い・赤い」ときは?

口腔がんでも、粘膜が白色や赤色に変化することがあります。特に以下のような変化がある場合は、一度確認してもらうことをお勧めします。

  • 今までなかった白い部分がある
  • 赤い部分が続いている
  • 白い部分・赤い部分が広がっている
  • 表面が厚くなったように感じる
  • しこりや潰瘍を伴っている

白い・赤いという見た目だけで口腔がんと判断することはできません。口の中の粘膜には、口腔がん以外にもさまざまな病気や一時的な変化が起こります。見た目だけで「がんだ」「大丈夫だ」と決めつけないことが重要です。

こんな変化があったら、一度歯科医院へ

以下のような変化が続いている場合には、一度歯科医院で相談してみましょう。

☑ 口内炎のような傷がなかなか治らない

☑ 口の中のできものが大きくなっている

☑ 舌や口の中に硬いしこりがある

☑ 口の中に白い部分がある

☑ 赤くなった部分が続いている

☑ 原因が分からない出血がある

☑ 口の中に痛みやしびれが続いている

☑ 舌が動かしにくい

☑ 食べ物を噛みにくい、飲み込みにくい

☑ 話しにくくなった

☑ 急に入れ歯が合わなくなった

これらの症状があったからといって、口腔がんとは限りません。「何かいつもと違う」という変化を見逃さないことが大切です。

自分で口の中をチェックしてみましょう

口腔がんは、舌や歯ぐき、頬の内側など、比較的自分で確認しやすい場所にできることがあります。日本口腔外科学会でも、口腔がんのセルフチェックが紹介されています。

鏡を使って以下の部分を確認してみましょう。

  • 頬の内側
  • 歯ぐき
  • 舌の表面
  • 舌の側面
  • 舌の裏側
  • 口の底

セルフチェックだけで口腔がんを判断することはできません。気になる変化があれば歯科医院で確認してもらいましょう。

「痛くないから大丈夫」は禁物です

歯の痛みと違い、口腔がんは初期には自覚症状が少ない場合があります。「痛くないから大丈夫」とは言い切れません。一方で、痛みや口内炎があるからといって、すぐに口腔がんを疑う必要もありません。

大切なのは「症状があるかないか」だけではなく、「以前と比べて変化しているか」「その状態が続いているか」を見ることです。

まとめ

  • 「口内炎ができた=口腔がん」ではありません
  • 治らない・大きくなる・硬いしこりがある・白や赤の変化が続くなど、いつもと違う状態が続く場合は確認してもらいましょう
  • 初期には自覚症状が少ない場合があります
  • セルフチェックを習慣にし、気になる変化があれば早めに相談しましょう

次回は「口腔がんはどうやって発見する? ~歯科医院で行う口腔内チェック~」についてお話しします。

新潟市中央区・新潟駅南口から徒歩4分のからさわ歯科医院でも、気になる変化があればお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 口内炎が2週間以上治りません。受診したほうがいいですか?

A. 通常の口内炎は1〜2週間程度で改善します。2週間以上治らない場合や、大きくなっている・硬いしこりを伴うという場合は、一度歯科医院で確認されることをお勧めします。

Q. 口内炎と口腔がんはどう見分けるのですか?

A. 見た目だけで確実に見分けることは難しいです。治りにくい・大きくなる・硬い・出血するなどの特徴がある場合は、歯科医院で診てもらい、必要に応じて専門医療機関で詳しく調べてもらうことが大切です。

Q. 舌に白い部分があります。これは何ですか?

A. 白い変化には、舌苔・口腔カンジダ症・白板症など様々な原因があります。特に「以前はなかった」「なかなか消えない」「大きくなっている」という場合は歯科医院で確認してもらうことをお勧めします。

※この記事は、からさわ歯科医院 院長(歯科医師・唐澤)が監修しています。

■ 参考・出典

・国立がん研究センター がん情報サービス「口腔がん」

・国立がん研究センター がん情報サービス「舌がんについて」

・公益社団法人 日本口腔外科学会「きずやできもの」ができた

・公益社団法人 日本口腔外科学会「口腔がんのセルフチェックをしましょう」