こんにちは。新潟市中央区・からさわ歯科医院 院長の唐澤です。
前回は、歯の神経や根の内部を治療する「根管治療」の概要についてお話ししました。
今回は、患者さんからよくいただく「根管治療って、どうして何回も通わなければならないんですか?」という疑問にお答えします。

1. 根管は想像以上に複雑な形をしています
歯の根の中にある「根管」は、まっすぐな1本の管ではありません。歯の種類によって本数も異なり、以下のように分かれています。
- 前歯:1本程度
- 小臼歯:1〜2本程度
- 大臼歯:3〜4本以上
さらに根管は、複雑に曲がっていたり、網の目のように分岐していたり、非常に細いといった特徴があります。そのため、感染した部分をミリ単位で丁寧に取り除くには、慎重な処置が必要になります。
2. 根管治療の最も重要な目的は「細菌をできるだけ減らすこと」
根管治療の目的は、単に神経を取ることだけではありません。最も重要なのは、根管内の細菌や感染した組織をできるだけ取り除くことです。
細菌は肉眼で見えるものではなく、複雑に入り組んだ根管の奥深くに潜んでいます。そのため、「清掃」「洗浄」「消毒」の工程を何度も丁寧に繰り返しながら、根の中の状態を確認しつつ治療を進める必要があります。
3. 根管治療の通院回数の目安
根管治療では、以下の状態によって必要な治療回数が大きく変わります。
- 感染の程度(初めての治療か、過去に治療した根の再治療か)
- 根管の形(複雑に変形していないか)
- 症状の有無(痛みや腫れがひいているか)
お口の状態によりますが、一般的には3〜5回程度の通院が必要になるケースが多く、複数回かかることは決して珍しいことではありません。大切なのは回数そのものではなく、感染の状態を確認しながら安全に進めることです。
4. 治療を途中でやめてしまうとどうなる?
根管治療は、何回か通ううちに痛みが落ち着くことがあります。すると「もう治ったかな」と思って通院をやめてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、症状がなくなったからといって、感染が完全になくなったとは限りません。
治療を途中で中断してしまうと、以下のようなトラブルにつながることがあります。
- 仮の封鎖が劣化し、内部で細菌が再び繁殖して症状が再発することがある
- 歯ぐきが腫れる
- 根の先に膿の袋(根尖病変)がたまる
- 歯の根がもろくなり、最終的に抜歯が必要になる場合がある
せっかく進めた治療を無駄にしないためにも、歯科医師の指示に従い、最後まで治療を完了させることが大切です。
実際の診療でよくあるケース
からさわ歯科医院(新潟市中央区)でも、「痛みがなくなったので通院をやめてしまった」という患者さんが数ヶ月〜数年後に来院されることがあります。
症状が落ち着いていても、レントゲンなどで確認すると根の先に炎症が残っているケースは少なくありません。症状だけでは判断できないことも多いため、定期的な確認が重要です。
まとめ
- 根管は複雑に入り組んだ形をしているため、清掃に時間がかかる
- 根管治療は、根の中の細菌をできるだけ減らすことが目的
- 3〜5回程度の通院が必要になるケースが多い
- 痛みが消えても、治療が完了したとは限らない
- 治療の中断は再発や抜歯の原因になるため、必ず最後まで受けることが大切
※この記事は、からさわ歯科医院 院長(歯科医師・唐澤)が監修しています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療結果を保証するものではありません。